突然住宅会社をつくった訳

突然工務店に

− 川村社長といえば25歳で「新都市開発」を設立、北上市を拠点に不動産業を28年間営んできたわけですが、 平成8年に「ユートピアみちのく」としていきなり住宅産業に参入した経緯をお聞かせ願えますか?

川村
「今さら工務店?」と周りはびっくりしたと思います。 傍目には、いきなりに見えるかもしれないけど自分なりには根拠はありました。 不動産業でお客様に土地をお世話して、地鎮祭や新宅祝いなどに招かれたりしているうちに、 各ハウスメーカーさんとの取引もあり、建築事情がよくわかるようになってきていましたし、 建てる側(メーカー)の内情も見えるようになりましたから。 土地だけじゃなく家も提案してみたいと思っていたところに、 高気密・高断熱という考え方−住宅建築の流れが大きく変わる考え方−がでてきたんです。

ローコストで高品質、暖かい家がいい!

− それは13〜14年前くらいのことなんですか?

川村
そうですね。北海道で住宅の高気密・高断熱化というのがはじまって、 岩手でも北海道発のビルダーさんや工法が、暖かい家を建てはじめたんです。 でも当時は高くて、坪70〜80万もかかっていて一般のお客さまの手の届く価格帯ではなかったと思います。 そんな時にぱっと目についたのが日経新聞の小さな記事。 旭川の地場の工務店が高気密・高断熱の家を坪35万円でできるっていうのが載ってたんです。 それで後輩の設計士を連れて、すぐ旭川に飛んで、モデルハウスに泊めてもらったんです。 ビールをのみながら技術屋さん同士の議論を横で聞き、 私は翌朝パンツ一丁で床下から天井裏までもぐってチェック(笑)。 これだったら暖かいだろうと納得して、帰りの飛行機では工務店をやろうと決意したんです。

岩手の冬は寒い!北海道の家が丁度いい!

− 北海道というのが決め手になったのですか?

川村
そうですね。北海道は外は寒いけど家の内はあったかいっていうでしょう? それはすごく大切なことだと思ってました。岩手の冬だって十分寒い(笑)。 それなのに建てる考え方は関東や南の方の建築の考え方で、中途半端なつくりだから家の内は寒いんだと。 北海道で実証されている、あったかい家を岩手に建てれば受け入れられるでないかと思ったんです。

− 平成8年に「ユートピアみちのく」として住宅会社を設立なさって。でも住宅は初めての分野ですよね。

川村
旭川から戻ってきて会社づくりをしながら、まず設計士を雇って1ヶ月間研修に行ってもらいました。それからモデルハウスを建てて宿泊体験が出来るというところから始めたんです。小さな新聞記事を見てから、そこ迄で半年くらいかかったと思います。もちろん資金も何もないゼロからの出発でしたから、考えながら走り出し、走りながら考えるという状態でした。

オール電化に特化した訳

page top ↑